春の瀬戸内とまわり踊るMiKER!

 久しぶりに瀬戸内でSTU48を見ました。広島は2年ぶりの訪問でした。瀬戸内にはよく行っていたけど、行くのは神戸や四国ばかりで、広島は本当に久しぶりだった。思い返したらSTU482周年コンサートぶりだった。あの頃はまだSTU48号が出来上がる前で、ゲバントホールの前の桜が綺麗だったのを覚えている。2年ぶりの広島も春で、船へ向かう道に咲いている桜が青空に映えて、桜越しに見るSTU48号がこれぞ瀬戸内の春という趣きがあった。

 

 

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 課外活動公演は何度か見たことがあるがMiKER!は初めて。初めて生で見るMiKER!公演はとにかく楽しかった。楽しい以外の感情がなかった。昼公演は後方だったが、夜公演は幸運にも前方だったので、やはりライブは生で見るものだなと実感した。

 

 STU48の好きなセットリストは『暗闇』の頃の陸上公演という、かなり懐古厨な自分だったが、MiKER!公演を実際に生で見て、こちらも大好きなセットリストだった。盛り上がることを主体に、最初から最後までずっと楽しい公演だった。ただ『北川謙二』の替え歌だけはどうしても無理。何故STU48がこういう替え歌を作ったのかわからない。

 

 後半パートの『ずっとずっと』『2人乗りの自転車』『抱きしめちゃいけない』『オネストマン』の流れが特に最高だった。もちろん甲斐心愛さんがいるという推し補正があるとしても、最高に楽しかった。『2人乗りの自転車』の間奏でメンバーが輪になって踊るシーンがある。私はアイドルが輪になって踊るシーン、彼女達だけの閉じた世界をステージ上に創り出す瞬間が大好きだ。『2人乗りの自転車』の間奏は、まさにMiKER!だけの世界を築いていて、内を向きながら笑い合っている彼女達はとても美しかった。MiKER!というユニットの互いに信頼しあっているチームワークが伝わってきた。回るメンバーの背中越しに見えた甲斐心愛さんの笑顔がすべてを物語っていた。このシーンに出会うために私は瀬戸内まで赴いたのではないか、そう信じたくなる瞬間だった。

 

 昼は結構曲数を歌ってくれると感じたが、夜はそれでもあっという間の時間だった。MCでも心愛さんが言っていたが、こんなに短かっただろうかと驚いた。

 

 とにかく楽しかった。最近好きになりたてのHKT48は、公演を見ていてもつい考え込んでしまう。自分に見えていないものだったり、彼女達の過去からの積み重ねを想像したり、自分のHKT48に対する解像度の低さを認識しているので、どうにか目を凝らしながら考える。しかしMiKER!を見ているときは考えすぎたりしなかった。考えなくても楽しい、ということはあるのかもしれないが、裏を返せば考えようとしなくても理解出来ていると、たとえ錯覚でも感じられるからだと思う。なんだかんだで私は初期からSTU48を見ているから、無意識のうちに私は彼女達を理解している気になっているのかもしれない。しかしそう思ってしまうのもなんだか危うい気がする。

 

 MiKER!を見ていると全員の魅力がよく伝わってくる。それはMiKER!6人という人数に理由がある。48系の劇場公演で標準的な十数人ぐらいの公演人数は、自分にとっては多すぎるのだと思う。それでも心愛さんに視線が偏ってしまうが、6人だと全員を見ることが出来る。グループを見渡すことが出来、それによってMiKER!への愛が高まっていく。

 

 ここまで下書きを書いて、ブログにアップする前に薮下楓さんのSTU48卒業が発表されてしまった。MiKER!公演の最後に何も悲しい発表がなかったことに実は内心ほっとしていたが、悲しみは春の嵐のように突然やってくる。私がMiKER!をここまで好きになれたのは薮下楓さんのおかげだ。MiKER!のリーダーとして薮下さんはとても頼もしい。去年のイ申テレビのクイズ大会で薮下さんと同じグループになって、そこから薮下さんを好きになり始めたチョロい新規だが、私は薮下さんがshowroomなどで垣間見せてくれる理想のアイドル像に共感していて、だからこそ薮下さんにはこれからのSTU48の行く末に期待していた。自分の理想と実際の活動にずれがあることを嘆いていたし、私もそんな薮下さんが目指すアイドルに賛同していた。卒業は本人的には前向きであっても、私には志半ばのようにも感じられてやるせなくなる。STU48に愛ある人がどんどん去っていくのが悲しい。MiKER!公演が楽しすぎて初めて取った薮下さんのオンラインお話し会で、何を話せばいいのか私はもうわからない。

 

 

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 4月の初めの広島は、無邪気に幸せを感謝出来る最後の時間だった。別れがある度に、毎回もう後戻りは出来ないと思わされる。目の前の瞬間を大切に受け取るだけだ。本当に楽しかった時間のあの笑顔は絶対に忘れないと誓い、それぞれの道を進む者の背中を見守るしかない。残された時間を大切に、たくさん笑いあえたらなと思う。素晴らしい瀬戸内の春をありがとうございました。