鮮やかな対比として浮かび上がったブルーとオレンジ

 少し昔の話になりますが、10月26日にHKT48の博多なないろ公演、チームブルーとオレンジの公演を見ました。今回はその感想です。久しぶりにHKTの公演を見ました。チームブルーに至っては、最後にブルーを見たのは9月、村重さんの卒業発表で驚いた公演以来ですから約1ヶ月ぶりです。ご無沙汰しておりました。この公演は自分の見方も含めて、両チームの違いがかなり表れた公演だったので劇場で見れてよかったと思います(DMMで見ただけならこれも書かなかった)。

 

 映像表現の用語で「ティール&オレンジ」というものがあります。

 

ティール&オレンジ」とは、写真を青緑(teal)とオレンジ色に偏らせる技です。

色作りの考え方としては、ひとの肌などが含まれる中間から明るい領域をオレンジ色に、暗い領域を青緑色に偏らせます。これにより、人物は暖かみのある肌の色、シャドウはその反対の色になるため、人物の存在感が増すというわけです。

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作例を見ると、所謂映画っぽい雰囲気になります。

 

 何故ティール&オレンジという言葉を出したかというと、今回見たブルーとオレンジの博多なないろ公演がまさにティール&オレンジのような相互に引き立たせる関係でパフォーマンスされていて、両者ともに素晴らしかったからです。

 

 先にチームオレンジについて書くと、まずそのダンスに驚きました。オレンジは過去に何回も見たことがあるし、上野遥さん選曲によるダンスが激しめなセットリストで、以前見た時もパフォーマンス重視のチームという印象はありました。しかし今回見て、これまで見て感じたよりもさらに上のレベルの高さを感じて、単純にすごいと感嘆してしまいました。

 

 この公演を私は幸運にもセンターゼロズレの席で見ることが出来ました。この日は上野遥さんの生誕祭だったので、上野さん推しには申し訳ないぐらい良い席でした。ちょうどステージの端から端までがぴったり視界に収まるポジション。そこから見るチームオレンジのパフォーマンスは圧巻でした。単にダンスが揃っているを超えて、腕の角度であったり動かすタイミングまで集中力が行き届いているパフォーマンスでした。7人が1列になって踊っていると非常にシンメトリーで、見ていて爽快でした。

 

 公演は先にチームブルーが出て、後半がチームオレンジでした。オレンジのあまりに統率されたパフォーマンスに衝撃を受けて、あれ? そういえばブルーはどうだったんだ? と直前の時間を思い出そうとしたのですが、悲しいことにブルーのダンスが揃っていたとかいなかったとか全く覚えていません。私は豊永阿紀さんが好きなので、ブルーのほとんどの時間を豊永さんを見ることに費やして、全体を見ていなかったのです。

 

 豊永阿紀さんを好きでいることが、巡り巡ってチームとしての公演の良さを見逃しているのではないか、そんな疑問が湧きました。豊永さんを見ていられるのだからそれでよいのではないかと言われればそれはそうなんですが、なんとももどかしい。ステージは彼女一人で作っているわけではないので、全体を見ていないのは片手落ちではないでしょうか。

 

 チームブルーは村重杏奈さんや田島芽瑠さんに代表されるように、HKT48の中でも特に個性の強いメンバーで構成されています。その個性溢れるメンバーがぶつかりあって生じる火花のような輝きがチームブルーの魅力だと私は思っています。それぞれがやりたいようにやって、歪でも爆発的な光を放つのがブルーです。なのでブルーを見るときは個にフォーカスして見ています。

 

 対してチームオレンジは、飛び抜けて好きというメンバーがいないこともありますが、よりステージ全体を見る感じです。それによってオレンジのチームとしてのパフォーマンスのすごさに気付けました。またオレンジのすごさに気付けた理由のひとつに、座席がとても良かったことがあります。少しでもセンターからずれた席だったらここまでオレンジのパフォーマンスに圧倒されなかったと思います。受け取る側の環境や体調によって評価が大きく変わってしまう、これはよい一例です。

 

 このように博多なないろ公演は、チームによって見方を変える、もしくは変わらざるを得ないことによって新しい魅力を発見出来る良さがあります。どのチームを見てもそれぞれの良さに気付けるように自分が変化していくことで、何度も見た対象でも新たに魅力に気付けることもあり、その過程が楽しいです。

 

 そして明らかに去年から今年春にかけての博多なないろ公演よりも、今の自分はHKT48に対する解像度が高くなっています。以前よりも確実に楽しんでいる自分がいます。見続けるとはこういうことなんだなと実感している2021年秋です。

 

 

 

 

 
 
 
 
 
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