RAYと出会って1年が経った。出雲にっきさんの19歳生誕祭そしてavandoned解散ライブで初めてRAYを見てから1年が経った(出雲にっきさん20歳おめでとうございます)。
avandonedと入れ替わるように私の前にRAYが現れた。陽が落ちれば月が輝くように、それはあまりにも自然で、タイミングが良すぎた。
ライブを見て、一目惚れみたいに一瞬で好きになった。後で調べたら、私が好きでよく聴いていたFor Tracy Hydeの人が曲を提供していた。なるほどと合点がいった。どの曲も完璧だった。
私はRAYを好きだけど、常に躊躇いがある。それは出会いのタイミングの偶然、avandonedの代わりとしてRAYが現れたと私自身すら思えてしまうことへの申し訳なさがあるからだ。RAYはavandonedの代替グループではないと思っていても、出会いの絶妙すぎるタイミングが私を戸惑わせる。
このような感じで、好きと申し訳なさが混ざりあった複雑な気持ちで、1年前も今もRAYを見ている。去年の秋に私は東京を離れてしまったので、最後に生で見たRAYは夏の渋谷WWWでのライブだった。その後も配信でライブを見たりしたが、RAYの轟音に身を委ねる体験は久しくしていない。
去年いちばん聴いたアイドルはRAYの『Pink』だった。今もこれを聴くと、東京の静かな住宅街をよく歩いた夏を思い出す。コロナ禍の街の静けさと洪水のような音の対比が好きで、よく好んで聴きながら歩いた。
東京を離れて、その東京の夏と共に思い出すのはひとつの言葉だ。2020年8月のワンマン配信ライブ『birth』において、『no title』のイントロで内山結愛さんはこう言った。
「RAYの音楽はあなたに寄り添います!」
RAYはライブも多いし、シューゲイザーという音楽的にもライブハウスで聴くことを前提にしているはずだ。そのような現場主義のRAYでも、あの頃は満足にお客を入れてライブをするのが難しかった状況。それは生でステージを見られないファンへの、精一杯の言葉だったのかもしれない。
私はその言葉に救われた。福岡に移ってからはさらに救われた。ライブに行かないことへの申し訳なさが、この言葉によって和らいだ(熱量が足りないだけと言われればそれまでですが…)。
自分自身アイドルはライブで見てなんぼという現場主義なので、これまではライブに行かないイコール興味がない、ぐらいの気持ちだったが、今は配信でライブを見て音源を聴くだけでも好きと言えると思えてきた。今になってトマパイのキャッチコピーである、「会えないときも、そばにいる。」をしみじみ実感している。
これは私の思い込みだけど、RAYの音楽は遠くまで届いてくる。音が遠くまで手を伸ばそうとしているように聴こえる。世界から誰もいなくなった彼方にもRAYは響く。悲しみや寂しさをかき消すように重ねられるギターに身を委ねるのが心地良い。
そしてRAYと出会って1年後、『白川さやか卒業公演 -ひかり-』を配信で見た。演出、照明、カメラワーク、どれをとっても最高で、それらのサポートを受けて4人が最高に輝いていた。それはライブハウスの生の体験とは違うけれど、今の最高のRAYがいた。素晴らしい別れのライブだった。
4人の躍動感が画面のこちらまで届いてきた。RAYはどの曲も大好きだけど、その中でも特に大好きな『スライド』を2回続けて聴けて胸がいっぱいになった。そして『ダイヤモンドリリー』、さーやさん最高に可愛くてキラキラしてましたね!!
私は新参もいいところで月日さん以外とは話したこともないのだけど、それでも4人全員が好きだ。この4人だからこそのRAYだったのだなと改めて思う。話したことはないけれど、甲斐莉乃さんはお酒を飲めない私の分まで毎日飲酒してくれているのだなと思いながら、彼女のインスタストーリーを楽しく見ている。
本当に素晴らしい卒業公演だった。4人がかっこよすぎた。最高のRAYをありがとうございました。さーやさんの未来が輝きで溢れていますように。