HKT48初体験が新劇場初日だった

最初にして最高のHKT48に出会ってしまった思いだ。HKT48の新しい劇場である西日本シティ銀行HKT48劇場のオープン記念公演を見てきた。コロナ禍で大変ですがオープンおめでとうございます。収容人数300人のところをさらに減らして128人しか見られないとのことで、まあ当たらないだろうけど記念に申し込んでみたらまさかまさかの当選してしまった。初劇場公演。信じられない。東京から福岡に引越してきてまだ1ヶ月も経っていないが、今のところ福岡に引越してきていちばんうれしい出来事です。

タイトルでHKT48初体験と書いたが、正確には2017年のTIFと先日の市役所前の広場で遠くから見た。ここ数年の私はSTU48メインのオタク活動をしているが、よくよく思い出したら48系はSTU48以外はAKB48の劇場公演しか見たことがなかった。リクアワなどのいろんなグループが集合するライブも行ったことがない。劇場でちゃんとしたHKT48の公演を見るのは本当に今回が初めてだった。

オープン記念公演は客数を減らしたり、マスクにフェイスシールドの完全防備など、出来る限りの対策をした上での開催だった。AKBの劇場公演でおなじみのビンゴは無くなり、チケット発券時に3枚のカードから選んだ1枚に書かれている数字が席番号となってチケットが発券される仕組みとなった。まさに己の腕が試されるわけで、私はちょうど真ん中辺りの下手の席だった。入場待ちのロビーはちょっと狭く感じたけど、新劇場の客席は程良い傾斜があって見易いです。

既に各所でレポートが上がっている通り、新劇場の柿落とし公演は活動中の全メンバー出演によるシングル全曲披露公演だった。しかもすべてフルサイズでのパフォーマンス。1stシングル『スキ!スキ!スキップ!』から最新シングルの『3-2』までを順に歌っていく公演は、まさしくHKT48の歴史を再体験する時間だった。HKTビギナーの私のためのような公演で非常に有り難かった。いちばん新しいのが『3-2』ということもあるが、シングルを順に追っていくとグループが大人になっていってる雰囲気を感じる。

シングルは全部で13枚。9年近い活動期間は様々なことがあっただろうがグループが続いているのはすごい。アイドルに限ったことではないけれど、とにかく続けていくことが何よりもすごいことだと活動の長い人達を見ると思い知らされる。少なくとも惰性では続けられない。惰性の先には必ず振り落とされる瞬間がある。今ステージに立っているのはそこに立ちたい意志があるからだろうし、その志を受け取れる場に立ち会えたことに感謝しかない。

公演の話に戻ると、HKTのシングル曲は結構知っているなという新鮮な驚きがあった。もちろん私がよく見ているSTU48で『メロンジュース』や『12秒』などをカバーしていることもあるが、HKTのシングルは耳に残りやすい。そして曲は知っていても衣装は初めて見る曲が多くて、それも改めて新鮮だった。1曲ずつ衣装が変わるなんて、こんな豪華なライブをそこまで大きくはない会場で見れる経験はそうそうない。そして初めてちゃんと見た『3-2』の衣装の色合いが私は結構好きです。春リリースなのに秋色なので今の季節にも合いますね。

ありふれた表現になってしまうが本当にステージが眩しかった。これまで彼女達が受け取ったたくさんの愛がそれぞれの内で凝縮し眩い光を放っていた。アイドルは光だ。すべてを照らし、照らし返す光だ。天の光はすべて星だが、地上にはアイドルがいる。『センチメンタルトレイン』にあるように私達は光と共にある。どうしようもない世界のせいでアイドルから遠ざかっていた私には、久しぶりに目の前で輝く光によってホワイトアウトしたかのようだった。

メンバーが入れ替わり立ち替わりパフォーマンスしていく光景にただただ圧倒された。宝塚のレビューではないけれど人が多いのは単純に強いし正義です。ステージのどこを見ても可愛い。ここでいう可愛いとはステージにアイドルとして立つことを覚悟している人が見せる美しさ、を可愛いと言っています。

だからこそどの方向に視線を向けても可愛いのに名前がわからない人がいた事実に自己嫌悪した。当選が決まってから、週末を使って映像倉庫でHKTの動画をたくさん見た。なんとか9割ぐらいは顔と名前を覚えた。もともと自分のHKTの情報源は数年前のおでかけという根っからのおでかけ大好きチルドレンなので、4期ぐらいまではだいたい認識していたのだけど、それ以降がさっぱり(しかも知ってる人でも既に卒業してたりする)。頑張って覚えたけれど実際にステージで動いている姿を見るとわからない人がたくさんいた。全然予習が足りなかった。ごめんなさい。

それでもステージ上に見たい人がたくさんいて視線が定まらない。やっぱり生のライブは最高だ。どこを見るのも自分で決められる。見たいところにカメラが向かないもどかしい配信映像とは違う。一人をずっと追ってもいいし、目の前に来た人を代わる代わる見てもいいし、カメラに見る対象を指示されない解放感が快かった。

劇場公演は初めてといっても、HKTのメンバーとは何度か握手会で握手したことがある。AKBの握手会でSTUのメンバーと握手するついでといっては失礼だけど、せっかく同じ場にいるのならと幕張メッセパシフィコ横浜でHKTの何人かと握手したことがある。幸運にも抽選が当たって豊永阿紀さんとは2ショットを撮ったこともある。だからといってはなんだけど、HKT48の一推しは敢えて挙げるなら豊永阿紀さんだ。レベッカブティックを着ている豊永さんが最高に素敵で大好きなので、レベッカブティックを着ている豊永さんのオタクだ。

ブログやSNSなどから垣間見える彼女の生きる世界の広さがとても魅力的で、もっと知ろうとすればするほどわからないことが増えていく彼女の内面の深さに惹かれる。個人的にはアンジュルムを好きな人はそれだけで信用してしまいます。しかしパフォーマンスは映像でしか見たことがなかったので、公演でアイドルとしての彼女をダイレクトに感じられたのがよかった。

豊永さんはこの公演では『しぇからしか!』でセンターだった。演技派だという噂通り、『しぇからしか!』の豊永さんはそれはそれは男気溢れるパフォーマンスだった。2015冬ハロコンの『大器晩成』の最後の佐々木莉佳子さんを彷彿とさせるような最大瞬間風速のかっこよさに射抜かれた(下のリンクのやつです)。

 

私にとって『しぇからしか!』はSTU48の課外活動ユニットMiKER!の持ち曲という印象で、この曲での甲斐心愛さんも豊永さんに負けないぐらいめちゃくちゃかっこいい。両者ともここぞという場面での思いきりが最高に気持ち良い。私が好きになるアイドルは皆『しぇからしか!』がかっこいいという偶然に、自分のアイドルの見方の一貫性に図らずも安堵したような気分になった。

他のメンバーも今まで映像でしか触れてなかったので、やっとパフォーマンスを生で見れて感慨深かった。気になってたならもっと早くライブに行っておきなさいよと突っ込まれそうだが、こればかりはタイミングで私にとってはこの日がその瞬間だったのだ。お洒落インスタグラマーとしてしか最近は認識してなかったびびあんちゃんも、やっと歌って踊っている姿を見れて、本当にアイドルなんだと確認出来たのもうれしかった。私はびびちゃんのインスタ大好きです。最近気になり始めていた渡部愛加里さんは、だからなのか意外と視界に入ることが多くて笑顔が素敵だった。最初のMCでの下野由貴さんの涙を見て、私みたいな新参が当たったのは申し訳ないなと思ったので、今出来ることはこれだけと必死に公演を見た。あとはやはり森保まどかさんと松岡菜摘さんの存在感がすごいですね。『キスは待つしかないのでしょうか?』の森保さん素晴らしかった。私がHKTのシングルの中でいちばん思い入れがあるのはキス待ちで、単にMVが好きで最も繰り返し見た曲という理由だけど、間奏のセリフからのクルッと回転するシーンが大好きで、それを生で見られたことにちょっと感動してしまった。

HKT初心者なので見るものすべてが新鮮。HKTに通い詰めたファンには見慣れた光景だろうと、私にはベテランメンバーも若いメンバーもすべてが等しく新鮮に写る。全員が私には初めての劇場での出会いであって、ここからまた何かが始まるかもしれない。

この文章を書きながらもこれがオタク3日目の熱量だということも十分わかっていて、アイドルの陽の部分しか見えてないこともわかっている。いつまでこの熱量が続くかもわからないので、熱が醒めないうちに次のチケット当たってください〜

ともかくの今の厳しい状況で劇場をオープン出来たことはうれしいし、これからも無事に公演を続けられることを祈ってます。素晴らしい公演をありがとうございました。

 

 

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